反乱から1年 いまだに神格化されるプリゴジン氏―ロシアの極右勢力の不満についておしえてください
2023年6月23日にロシアで突如勃発した民間軍事会社「ワグネル」の反乱から一年が経ちました。この反乱の首謀者であるエフゲニー・ビクトロビッチ・プリゴジン氏は、いまだに神格化される動きが広がっています。彼の誕生日には墓地に銅像が設置され、兵士や市民が献花に訪れています。プリゴジン氏はウクライナ侵攻での国防省の対応に反発し、「ワグネル」を率いて2023年6月に反乱を起こしましたが、ちょうど2カ月後に乗っていた飛行機が墜落し死亡しています。なぜ今、このような神格化の動きが起きているのか、その背景にはさまざまな要因があるようです。
ロシアの極右勢力についてもっと詳しく知りたいです。
ロシアにおける極右勢力は複数の組織や運動から成り立っています。以下にいくつかの主な極右勢力を紹介します。
– 右派連合 (Сою́з пра́вых сил, SPS):
– 右派連合は1999年に設立された政党で、エリツィン政権下で急進改革派やロシア経済の自由化を推進していました。しかし、プーチン政権との対立が生じ、2003年の国家会議選挙で議席を失いました。その後、新党「右派活動(正義)」が誕生しました。
– アゾフ大隊:
– アゾフ大隊はウクライナの極右民兵部隊で、ロシアを後ろ盾とする反政府勢力に対抗して結成されました。ウクライナ東部ドンバスでの紛争において存在感を示しています。
– ネオナチ問題:
– ウクライナにおいても「ネオナチ問題」が存在しており、極右民族主義のテロ組織や政治組織が政権や行政に関与しています。
これらの組織は、ロシアやウクライナの政治的・社会的状況に影響を与えています。
ウクライナとロシアで極右勢力が対立している理由を教えてください。
ウクライナとロシアの極右勢力の対立は、歴史的背景や政治的な要因によって複雑に絡み合っています。以下にその一部を説明します。
– ソ連崩壊後のウクライナとロシア:
– ソ連崩壊後、ウクライナは独立を果たし、ロシアとは異なる政治的道を歩んできました。しかし、ロシアはウクライナを自国の「勢力圏」の一部と見なしており、ウクライナの独立や欧州連合(EU)への接近に反発しています。
– ウクライナのマイダン革命とクリミア併合:
– 2014年、ウクライナのマイダン広場で反政府運動が起き、親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が失脚しました。この後、ロシアはクリミア半島を併合し、ウクライナ東部で反政府分離運動を引き起こしました。
– 民族主義とナショナリズム:
– 極右勢力は民族主義やナショナリズムを掲げており、ウクライナとロシアの民族的アイデンティティの違いが対立を助長しています。
– ウクライナのEU・NATOへの接近:
– ウクライナがEUやNATOへの加盟を模索していることに対し、ロシアは反発しています。ロシアはこれを自国の安全保障に対する脅威と捉えています.
このような歴史的経緯や政治的要因が、ウクライナとロシアの極右勢力の対立を形成しています。
対立が続く中で、両国政府はどんな対応を取っていますか?
ウクライナとロシアの対立が続く中で、両国政府は以下のような対応を取っています。
– 外交的対話と交渉:
– 両国は外交的な対話を継続しています。例えば、ノルマンディー・フォーマットと呼ばれる枠組みでウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの代表者が会談し、ウクライナ東部の紛争解決を試みています。
– 停戦合意と監視団の活動:
– ウクライナ東部のドネツク人民共和国とルハンスク人民共和国との間で、停戦合意がなされています。しかし、違反が続いており、オブザーバー団体(例:オセアニア連合)が監視活動を行っています。
– 経済制裁と対抗制裁:
– EUや米国などの国際的な組織は、ロシアに対して経済制裁を課しています。これに対してロシアも対抗制裁を行っており、両国の経済的な緊張が続いています。
– 軍事的展開と軍事演習:
– ウクライナは軍事的な展開を進めており、NATOとの協力を強化しています。一方、ロシアも軍事演習を実施しており、両国の軍事的な緊張が高まっています。
これらの対応は、両国の対立を緩和するために継続的に検討されていますが、根本的な問題は解決されていないことに注意してください。