新型コロナウイルスの影響からの回復が進んでいた国内旅行に、物価高騰による実質賃金の低下が影を落としているようです。旅行大手JTBが実施した今年の夏休み旅行動向見通しの調査によれば、国内旅行者数が4年ぶりに前年を下回り、節約志向の高まりが顕著になっています。具体的には、旅行者数は前年比4.1%減の6,975万人、旅行消費額は3.2%減の3兆2,743億円となったそうです。海外旅行に先んじて着実に回復していた国内旅行が、令和2年以来4年ぶりに減少に転じたとのことです。
節約志向が高まっている理由として、多くの人々が「夏休み期間は混雑する」と感じていることが挙げられます。さらに、「家計に余裕がない」という理由も増加しており、実質賃金の低下が背景にあると考えられています。厚生労働省の調査によれば、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月比1.3%減となり、マイナスは26カ月連続で過去最長を更新している状況です。
海外旅行についても、日本人向けの旅行ビジネスは曲がり角を迎えており、海外旅行者数は前年を超えたものの、新型コロナ禍前の水準には達していないようです。近い国々への旅行が増えている一方で、節約志向が影響していることがうかがえます。
このような状況を踏まえて、夏休みの旅行プランを立てる際には、予算や節約意識を考慮しながら、非日常感を味わえる場所を選ぶことが大切かもしれませんね。
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