消えたキーマン──「新プロジェクトX」のスパコン「京」回が批判を受けた理由 富士通とNHKの見解は？についておしえてください
スーパーコンピューター「京（けい）」を取り上げたNHKの番組「新プロジェクトX～挑戦者たち～」が、ネット上で波紋を広げています。当時、京の開発責任者を務め、その後富士通を離れた人物に番組でほとんど触れられなかったことで、企業の都合が番組に反映されたのではないかという見方があります。この人物とは、技術者であり、富士通で長年にわたりCPU開発に従事していた井上愛一郎さんです。彼はスーパーコンピュータ「京」の開発時には、富士通側の開発責任者として重要な役割を果たしました。番組放送後、ネット上で彼の名前が話題になり、視聴者からは疑問の声が上がっています。
「京」スーパーコンピューターについてもっと教えてください。
もちろんです！スーパーコンピューター「京（けい）」は、兵庫県神戸市の理化学研究所計算科学研究機構に設置されていたスーパーコンピュータです。この名前は、浮動小数点数演算を1秒あたり1京回（10ペタフロップス）行う処理能力に由来しています。2012年に完成し、同年9月に共用稼働を開始しました。TOP500ランキングでは一時的に1位になりましたが、その後は2位や3位に後退しました。2019年には次世代のスーパーコンピュータ「富岳」に置き換えられ、運用が開始されました。ちなみに、1京回の計算は、地球上の全人口70億人が電卓を持って集まり、全員が24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで計算を続け、約17日間かけてようやく終わる勘定です。
スーパーコンピューターについてもっと詳しく教えてください。
もちろんです！スーパーコンピューターは、科学技術計算を主要目的とする大規模なコンピューターで、高速な計算能力を有しています。これらのスーパーコンピューターは、特定の問題を解決するために最適化されたハードウェアとソフトウェアを備えています。
スーパーコンピューターの特徴は次のとおりです:
– ハードウェア: スーパーコンピューターは、高速な演算処理装置、大容量で高速なメモリ、メモリ共有方式などの特有のハードウェアを備えています。また、電力消費と発熱に対応する電源設備や冷却機構も必要です。
– ソフトウェア: スーパーコンピューターは並列計算処理に適したソフトウェア方式を採用しています。これは問題解決手法の最適化やアルゴリズムの実装、プログラムのコンパイラ段階などで行われます。
スーパーコンピューターはさまざまな分野で利用されています。例えば、以下のような用途があります:
– 構造解析: 機械・土木・建築分野での構造物の力学を有限要素法や境界要素法に基づいて検討します。
– 電磁界解析: 電気工学分野での電磁界のシミュレーションを行います。
– 流体力学: 流体の挙動を解析します。
– 気象予測: 大気・海洋シミュレーションにより気象予測を行います。
– 物性・化学・材料科学: 分子動力学などを用いて物質の性質を研究します。
– 最適化問題: 問題の最適解を探求します。
– 金融の大規模数値解析: シミュレーションに基づく金融分析を行います。
スーパーコンピューターは、科学技術の進歩と問題解決に欠かせない存在となっています。
最新のスーパーコンピューターについて教えてください。
2024年6月版のスパコンランキング「TOP500」によれば、世界トップのスーパーコンピューターは米国の「Frontier」です。このエクサスケールスパコンは米オークリッジ国立研究所に設置されており、LINPACK性能は1.206ExaFlops（1.206京回）を達成しています。また、日本の「富岳」は4位に位置しており、LINPACK性能は442.01PFlops（44京2010兆回）です。